暑い7月になり、兵庫県は宝塚市に位置する自然が豊かな、”武庫川渓谷”にハイキングに行ってきました。実際に歩くルートは、武庫川渓谷に沿って作られていた、JR旧福知山線の廃線跡になります。廃線跡ということもあり、所々に鉄道が通っていた名残りを感じることが出来る、普段では中々体験できないハイキングコースをご紹介します。
目次 〜武庫川渓谷〜
ハイキング概要・所要時間
所在地 | 兵庫県宝塚市玉瀬イヅリハ−1 |
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標高 | 169m(最高点) |
所要時間 | 約2時間 |
登り易さ | 山1つ |
ハイキング入口までのアクセス
今回は大阪市内から、ハイキングのスタート地点であるJR生瀬駅まで電車で向かいます。
乗車時間は約30分となります。
路線名 | 所要時間 | |
大阪駅 > 生瀬駅 | JR宝塚線 | 約30分 |
ハイキングルート
今回は生瀬駅到着後、JR武田尾駅のゴールを目指して、約5Kmの道のりを歩きます。生瀬駅から廃線跡入口までは舗装された遊歩道を約30分程進みます。
暫く歩くと、武庫川の渓谷が見えてくるため、住宅街から川沿いへと降りていきます。渓谷沿いに降りると、奥に細長く伸びる線路の後を歩いていくことになり、ここにはまだ枕木は残っておらず、うっすらと廃線の後を感じることが出来ます。
川沿いへ降りてから10分程歩くと、最初のトンネル、北山第一トンネルが姿を現します。いざトンネルの前に立つと思った以上に高さがあり、先も全く見えない状態です。この日は霧が少し出ており、トンネルの暗闇と相まって幻想的な空間を醸し出していました。
いざ暗闇といざなうトンネル内部へ!
トンネルの中に入ると暫くは入口の光に助けられますが、歩を進めるとすぐ視界が闇に覆われました。ライトを付けないとすぐ目の前も全く見えない状態、足元の砂利の音だけが響き渡り恐怖さえ感じます。
この日は曇り空ということもあり、気温も若干落ち着いていましたが、トンネルの中は光が全く入らないため、夏にも関わらずひんやりと冷たさを感じるくらいです。
5分ほど歩くと、先の方からうっすらと光が漏れてきました。ライトがあると言えど、先が見えない中を歩いていたので、光が見えるとホッとする自分がいます。ズバリTHE・冒険っていう感じを味わえた瞬間ですね。
最初のトンネルを抜けると、少しの間線路の後を歩き続けることになります。ここでは所々に枕木が敷いたままになっている所あるので、平坦な道とは言いつつも、つまづかないように注意が必要です。
そして暫く歩き続けると、次のトンネルの北山第二トンネルが見えてきました。トンネルの周りは草木で覆われ、その時代の経過を感じることが出来ます。ジブリ映画のワンシーンに出てきそうな景色ですね。
少し雨でしっとりとした地面がより静寂感を際立たせています。
ノスタルジックな景色が続く
トンネルによって切り抜かれた一つ一つの風景が写実的であり、どこを取っても絵になり歩くものを魅了します。永遠とも感じ取れる、遠くへと伸びる枕木がこの先の物語を予感させる良いアクセントになっています。
こういった風景は、普通の山道では中々見ることが出来ないのでとても新鮮ですね。
線路後やトンネルに目が行きがちですが、横に目を向けると武庫川が眼下に広がり、川の反対側は一面断崖絶壁の場所もあり、そのスケールに圧倒されます。ここを電車が通っていたこと想像すると、車窓からの眺めは素晴らしいものに違いありませんね。
写真映え間違い無し!の第二武庫川橋梁
そして第三のトンネル・溝滝トンネルを抜けると、一番のハイライトである赤い大きな鉄橋が真正面に現れました。第二武庫川橋梁と呼ばれるその橋は、丁度武庫川を跨ぐように架けられており、右から左へと進路を変える川に、渓谷を両サイドに見ることが出来る唯一のスポットになっています。
また、トンネルから見えるその景色は、無機質なトンネルの灰色、豊かな木々の緑色、そして鮮やかな橋の朱色がコントラストとなって、見事にノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。
2015年頃までは橋梁の保線用通路を通る形になっていたようですが、現在では大きく改修され、線路に当たる部分に歩道と手すりが設けられ歩き易くなっています。
新水広場でちょっと休憩
第二武庫川橋梁を抜けると、またトンネルが幾つか続いていきます。通っていて気付いたのですが、どのトンネルも微妙に形状が異なっていて、それぞれに個性を感じることが出来ます。長尾第2トンネルは入口の部分が少し狭くなっていて、ボーっと歩いていると落ちてしまうので注意が必要です(汗)。
生瀬駅から歩いて約1時間30分で親水広場に到着しました。ハイキングルートから少しそれて歩くと、武庫川一面を望める広場に出ることが出来ます。この日は風なども無く、穏やかな空気が漂っていて、歩いた疲れを癒してくれます。お弁当を広げている人もいたので、休憩場所としては丁度良い場所ですね。
新水広場を後にしておよそ10分程歩くと、コンクリートの道路が見え、線路跡が遂に無くなりました。ゴールの武田尾に到着です。
まとめ
廃線跡、トンネル、橋、森、川とキーワードを並べるだけで、なんだかワクワクする、そんな魅力がいっぱい詰まった場所でした。古びたトンネル、中は真っ暗闇でドキドキしながら進む感じは、幼い頃、好奇心と不安を抱きながら未知の世界に飛び込む感覚と一緒でした。
歴史に包まれたその空間はノスタルジー感に溢れ、まさに子供の頃にタイムスリップしたかのよう。忘れかけたあの頃の気持ちをもう一度思い出したい方は、是非一度足を踏み入れてみて下さい。
使用した道具
ヘッドライト | PETZL TIKKINA |
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今日のフィルム
編集中
今日のハイキングメシ
ハイキングのゴールとなる、武田尾駅側には美味しい猪肉を使ったお食事処・畑熊商店があります。ハイキング後のランチに、お腹が空いていたら立ち寄ってみては如何でしょうか。