Hoshizo's Outdoor Life

塵も積もれば山となる

妙見山

夏真っ盛りの8月は山の日に、大阪府の能勢に位置する北極星の振興としても名高い”妙見山”に登山に行ってきました。頂上には能勢妙見宮とも呼ばれる日蓮宗の霊場や、鳥居などもたたずむ神聖な場所として知られ、独特の雰囲気を醸し出しています。本格的な登山道を要して、自然と聖域が同居する、そんな魅力溢れる”妙見山”をご紹介します。

登山概要・所要時間

所在地 兵庫県川西市、大阪府豊能郡豊能町・能勢町
標高 660.1m(最高点)
所要時間 約4時間30分
登り易さ 山2つ

登山入口までのアクセス

今回は大阪市内から、登山のスタート地点である能勢電鉄・妙見口駅まで電車で向かいます。
乗車時間は約1時間となります。

<アクセスモデル>
  路線名 所要時間
大阪駅 > 川西能勢口駅 阪急宝塚本線 約20分
川西能勢口駅 > 妙見口駅 能勢電鉄妙見線 約30分

大阪駅から妙見山がある能勢方面へ向けて、まずは阪急宝塚線で川西能勢口まで向かいます。川西能勢までは僅か20分ほどで到着。能勢電鉄に乗り換えますが、ここら辺から風景は段々と緑が多くなっていきます。電車自体も茶色を基調としたレトロな感じで、自然の中を駆け抜ける姿は情緒があり、登山前に気持ちも上がります。

能勢電鉄妙見線・妙見口駅にて
能勢電鉄妙見線・妙見口駅にて

妙見口駅に到着。妙見線の終点となっており、ここから山下駅まで引き返していきます。この日は快晴ということもあり、能勢電と山の鮮やかな色が映えていますね。

妙見口駅・改札前
妙見口駅・改札前

妙見口駅もこじんまりとしていますが、木造校舎がまたレトロ感を際立たせていますね。今回はここから妙見山の頂上を目指し、ピストンで帰ってくる予定なので、しばしのお別れです。

登山ルート

本日は妙見口駅から、妙見の森ケーブルがある黒川駅横を抜け、大堂越を経由して山頂に至るコースになります。頂上からは同じコースを辿って妙見口駅まで戻るピストンを予定。

妙見山・登山ルート
妙見山・登山ルート

山の日のイベント・クリーンハイキング

クリーンハイキングのイベント
クリーンハイキングのイベント

今回のコース(大堂越コース)を選んだ理由は一つ、この日は山の日ということもあり、山のゴミを拾いながら登るクリーンハイキングが開催されていたからです。他のコースを選択することもできましたが、せっかくの山の日のイベントなので参加することにしました。

といっても、妙見口駅を降りると、係らしき人(?)から↑のチラシとゴミ袋を渡されるだけ。特に受付も無く、こちらが声を掛けないとスルーされる感じでした。若干、受付時間を超えていたこともあり、声を掛けるのにドギマギ(汗)してましたが、何とかゴミ袋を受け取り、いざクリーンハイキングに出発です。

まずはケーブルカーがある黒川駅へ

黒川駅までの穏やかな田舎道
黒川駅までの穏やかな田舎道

妙見口駅から黒川駅までは、舗装された道を進んでいきます。周りの住宅は比較的少なく、田園が多い印象で、穏やかな空気が広がっています。坂道を徐々に上がっていく感じですが、緩やかなので本格的な登山道に入る前のウォーミングアップには程良い運動です。

花折街道の像
花折街道の像

能勢妙見山に向けて参拝道として開かれた道で、”花折街道”という名が付いています。所々に石碑が立っていて、登山者を導いてくれます。花折街道の神の像なんかもあり、癒しの象徴ですね。

大堂越コースと上杉尾根コースの分岐
大堂越コースと上杉尾根コースの分岐

大堂越と上杉尾根のコースが分かれる分岐も、分かり易い標識が立っています。この日は大堂越コースの標識の上に、赤い矢印が・・・。クリーンハイキングのコースを間違わないように配慮されているようです。

妙見の森ケーブル・黒川駅
妙見の森ケーブル・黒川駅

しばらく歩くと、妙見の森ケーブルの黒川駅に到着です。ここまで来ると、他の登山の方も多く見かけるようになってきました。ここの駅舎も何となく妙見口駅と色の統一感があり、良い雰囲気を出しています。

ここから本格的な登山開始

黒川駅・左横から登山道へ
黒川駅・左横から登山道へ

ではケーブルカーに乗って、頂上へ!・・・と行きたい所ですが、ここは当然の如く無視して、黒川駅の左横から奥へと続く道を進んでいきます。ここからが本格的な登山の開始となります。

山の中へといざなう登山口
山の中へといざなう登山口

登山口へ到着。道はアスファルトから土、景色は空から木々へと移り変わります。こんな風に変化が目に見えて分かると、”さぁ、今から登るぞ!”と気持ちにも力が入ります。ここまで妙見口駅から約20分、丁度足を慣らすには良い時間になりました。

木々に包まれ上を目指す
木々に包まれ上を目指す

少しスタートが遅れたせいか、他の登山者はまばら。森の中に入り一気に静寂に包まれます。8月中旬ということもあり暑い中でしたが、空気はカラッとしていて、歩きにくさはありませんでした。序盤から急な道が続きますが、一歩ずつ慎重に歩き高さを稼いでいきます。

緑溢れる夏の空
緑溢れる夏の空

所々で開けた場所に出ると、雲一つない空と溢れる緑が顔を出し、澄み渡る空気が夏を感じさせてくれます。

ゴミを拾いながら登山道を進む

今回の登山のもう一つの目的である、山のゴミ拾い・・・ですがスタートが遅れたせいか、元々少ないせいか分かりませんが、ここまで歩いてきた中ではほどんどゴミを見つけることが出来ません。

足元注意の張り紙
足元注意の張り紙

ゴミ拾いで下を向きがちな所に、如実な張り紙が。山道なのでいたる所に木々は落ちているのですが、なぜかピンポイントで注意されていました。なんか特別な木なのか!?と勘ぐるも特に変わりの無い木なのでスルーします・・・。

少しずつ人も増えてきました
少しずつ人も増えてきました

気付くと、人も増えてきました。ゴミ袋を片手にかけており、クリーンハイキングの参加者と思われる人も多いようでしたが、よく見るとゴミ袋は膨らんでいて、先に行かれた方は結構拾われていんだと思うと、少し申し訳ない気持ちになりました・・・。

空を覆う木々
空を覆う木々

歩き始めて1時間ほどで、かなり山奥まで入ってきました。空を覆うように周りの木々も背が高くなってきていて、見上げてみると迫力がありますね。周りが静寂に包まれる中、自分一人しかいない空間になると、空に吸い込まれるような不思議な感覚になります。これも普段の街中では味わえない、自然の中ならではの体験ですね。

大堂越を経て妙見山駅へ

大堂越を超えたあたりで、登山者の列にぶつかる形に。思えばスタートが遅れ、ゴミ拾いの流れに遅れ(笑)だったので、遅れを取り戻そうと少し早歩きなっていましたが、先を行く集団に追いつくことが出来ました。

山道は長蛇の列
山道は長蛇の列

ここまで、ある程度の人達とは会っていましたが、何となく置いてけぼり感があったので、やっとクリーンハイキングの仲間入りを果たせたような気がしました(と、言っている間にもう頂上は近いのですが(笑))。

妙見の森ふれあい広場を示す標識
妙見の森ふれあい広場を示す標識

もう少しで頂上を示す標識が見えてきました。”ふれあい広場”とか”バーベキュー”という言葉が、ここまでの登山には似つかわしくない響きで、もう少し頑張ればふれあえると思うと(笑)歩も自然と進みます。

愛玩動物の墓
愛玩動物の墓

唐突に表れた愛玩動物の墓(汗)。霊峰ということもあり、きちんとペットの供養もされているようですね。ただ、あと少しで頂上という所で、ポツリと現れたので、なんか拍子抜けしてしまいました。

妙見の森リフト・妙見山駅
妙見の森リフト・妙見山駅

そして5分くらい歩くと、リフト乗り場が見えてきました。そういえば、登山口の黒川駅はケーブルカーだったような・・・と、地図を見ると途中でリフトに乗り換えるんですね。中々登山でリフトとかを使う機会が無いので、次は使ってみようかなと思いました(といって、帰りも普通に足で降りるのですが(笑))。うん、次にまた来た時ですね。。

頂上まであと少し
頂上まであと少し

リフト乗り場を超え、もう少しで頂上です。ここまで来ると、登山者の列も長蛇に。前も詰まり気味になり、歩もゆっくりとなったので、ここぞとばかりにゴミを探しますが・・・うん、無い!(笑)ここは前を行く人々に感謝して、自然を楽しみながら最後の登りを頑張りたいと思います。

頂上付近のアンテナ
頂上付近のアンテナ

背の高いパラボラアンテナが見えてきました。同時に頭の上まであった木々が無くなり、一面に広がる青空。今日は登り始めてから終始快晴が続いたので、とても気持ちの良い登山日和となりました。が、さすがに山の日は8月の中旬とあり、気付けば汗だくになっていました。

妙見山・頂上

妙見山・頂上
妙見山・頂上

黒川駅から登り始めて約1時間、頂上に無事到着です。ここまで暑さには中々手こずりましたが、道中はそこまでキツい所も無く、すんなりと登ることが出来ました。クリーンハイキングのイベントも兼ねていることから、比較的登りやすいルートが選ばれていたのかもしれません。

象徴的な信徒会館・星嶺
象徴的な信徒会館・星嶺

頂上に来て、何といっても目を引くのはこの「星嶺」と呼ばれる会館です。名前にもあるように、上から見ると星に見える特徴的な形をしています。妙見山は北極星の神様を祀る霊場でもあるため、まさに象徴となる存在になっています。

星嶺は最上階に当たる部分に礼拝堂があり、参詣として訪れた方を迎え入れています。また、それ以外にも色々なイベントを行えるスペースがあるようですね。今回は中まで入ることは出来ませんでしたが、次に来たときはゆっくりと見学をしたいと思います。

県境にある山門
県境にある山門

星嶺を抜けた先は、鳥居や門が構える境内が姿を現します。日蓮宗の霊場として神聖な場所ということもあり、何となくですが空気も違う感覚がありました。登山で疲れた身体や心が整えられるといった感じです。

ひっそりと三角点
ひっそりと三角点

そして少し離れた場所に、ひっそりと妙見山の最高点を示す三角点(標高:660.1m)を見つけることが出来ました。山頂に着いたら目に入れておきたい三角点ですが、地形等の関係で必ずも目立った所にあるとは限らないようです。妙見山も発見するまで少し時間がかかりましたが、何とか写真に収めて一段落です。

ピストンでいざ帰路へ

1時間~2時間ほど頂上でゆっくりした後は、同じ道を戻る形でピストンで妙見口駅まで戻ります。登りで1時間弱だったので、帰りはもう少し早い時間で着きそうです、がここは気を緩めずに慎重に降りるようにします。

そういえば、この妙見山の頂上はちょうど兵庫県と大阪府の県境にあるらしく、気付かないうちに何度も境をまたいでいたようでした。中々頂上に県境があるのも珍しい(ですよね!?)と思うので、これも貴重な体験となりました。

兵庫県と大阪府の県境
兵庫県と大阪府の県境

帰りの道も特に天気が崩れる事もなく、スムーズに降りることが出来ました。登りの時にあんなにいた人も殆どおらず(きっとリフトを使って降りられたのでしょう)、逆に不安になるくらいでしたが、無事に麓の妙見山駅に到着して、今回の山旅は終了です。

まとめ

山の日に登った能勢は妙見山。特に危なげな所も無く、ルートもオーソドックスな印象でした。この日は快晴だったこともあり気持ちよく登れたのと、やはり頂上からの景色は格別です。加えて、古を感じる門や鳥居は、霊峰としてこの地に鎮座する神を崇めるに相応しい、魅力たっぷりの場所でした。気持ちよく登頂した後に、さらに心が洗われる気分ですね。

今回登った大堂越ルート以外にも、様々なバリエーションルートが用意されているのも魅力の一つ。尾根を進むコースや、川沿いを行く渓谷コースもあるので、何度でも楽しめる山になっています。そういえば、山頂付近に足湯があるらしいので、少し寒い時期にまたのんびりと登って訪れたいと思います。

神聖な山として能勢の地に腰を下ろす妙見山。皆様も一度訪れてみてはいかがでしょうか。

木々と彰忠碑
木々と彰忠碑

使用した道具

バッグ Millet KHUMBU35
berghaus エクスプローラー トレック プラス GTX
レインウェア THE NORTH FACE レインテックスフライト

今日のフィルム

編集中

今日のメシ

山の日フェスタのカレー
山の日フェスタのカレー

この日は山の日ということもあり、山頂では山の日フェスタが開催されていました。色々なお店が出店されており、そこで買ったカレー。疲れえた身体に染み渡るオリジナルスパイスは最高の一杯です!

周辺スポット

剣尾山

外部リンク

能勢妙見山・公式サイト

次へ 投稿

前へ 投稿

https://hoshizo.net/wp/wp-content/themes/hitchcock

© 2024 Hoshizo's Outdoor Life

テーマの著者 Anders Norén